REPORT
2014.10.17
体が受け取る情報すべてに、とにかく魅了されるひととき。
i☆Risの登場が判明した瞬間、6色に分かれる客席のペンライト。その前に現れた彼女たちは、「Happy New World☆」でまずはお目見え。やはりダンスのキレに歌声のハーモニー、楽曲に合わせた表情、どれを取っても素晴らしい。筆者は昨年11月のデビュー1周年記念ライブも観覧したのだが、そのときよりもさらに、そのどれもがブラッシュアップされている。声優としての活動も含め、6人が積み重ねたことがここでしっかりと形になっていた。
初見の客も意識したのか、自己紹介も過度に押し付けがましすぎず、かと言って引きすぎず。メンバー全員の存在を会場に意識づけたところで、早くも「幻想曲WONDERLAND」を持ってくる。バレエのエッセンスを取り入れた振付も華麗で、1拍単位のコンビネーションやラインダンスが目にも楽しく、さながら6人の妖精が舞い踊っているかのよう。もちろん視覚だけでなく、サビラストでのハーモニーなど音の切れも聴き逃せない。続く「徒太陽」でもパフォーマンスの巧みさは健在で、イントロから側転やメンバー同士のコンビネーションなど、引き続き魅せる。そしてキラー・チューン「§Rainbow」で、ステージ上に展開する6色はより輝きを増す。その向こう側には、ペンライトきらめくスタンドが。間奏で斉唱された「We are i☆Ris!」の言葉で確信した。“Rainbow”の7色目を埋めるのは、ほかでもないファンたちに違いない。
そしてここからは最新シングル楽曲へ。雄々しく凛々しい表情を見せる「ユメノツバサ」でキレッキレのパフォーマンスを見せ、いよいよ表題曲「Make it!」の披露である。バックにアニメのOP映像が流れたのも、また粋な演出だ。甘いものから鋭いものまで6人それぞれ個性際立つ歌声は、単独でも魅力的だが6人合わさったときのバランス感、そして言い様もないほどの爽やかさたるやたまらない。そんな彼女たちの武器を、この最新曲で改めて強く感じることができた。また、サビ前のキメ「Make it!」では観客も一緒にスリーピース&ジャンプ。最後の最後まで、一体感は最高だった。
キュートな急成長と、鉄板曲での大団円!
その熱量を引き継いだままミルキィホームズの4人が入場。決めポーズから挨拶がわりに「ぐろーりーぐろーいん☆DAYS」をお見舞いだ。続けてフェザーズも合流して、「We are the Miracle Holmes」で改めてキュートにご挨拶。i☆Risとは違った6色に染まるスタンドを前にした6人の中でも、とりわけ伊藤彩沙の成長ぶりには目を見張るものがある。デビューからまだ1年。正月ライブや横浜アリーナを経験し、どんどん自身の糧にしてきた彼女の姿は、実に堂々たるもの。この急成長っぷりは、今後がどうしても楽しみになる――なんて思っていたら、ここでフェザーズのふたりにバトンタッチ!「セイシュンビギナー!」の披露に、客席では白と紫のペンライトが舞う。片翼ずつを担いながらも、ちょっとだけお姉さんな愛美がリードするようなアイコンタクトや仕草のひとつひとつから、ふたりの息のピッタリさを感じることができた。続く「ハッピー絶好調」でもそんな関係は続き、左右対称の動作もバッチリ決める。
と、ステージにミルキィホームズがケーキを携え再登場。実は本公演の翌日は伊藤彩沙の18歳の誕生日ということで、お姉さん4人がサプライズでお祝い。客席も巻き込んでのハッピーバースデーの大合唱に、パフォーマンス中とうって変わって、今度は等身大の笑顔を見せていた。
さて、今度はミルキィホームズの出番。「前(i☆Ris)がキラキラアイドルしてた」と軽口で客席をひと笑いさせる4人も、「冒険☆ミルキィロード!!」が流れ出せば一気に場内の空気を我が物に。なかでも、CD音源から印象深かった間奏部分の掛け合いでの橘田いずみの歌い上げっぷりが気持ちいい。突き抜けたまま会場を覆い尽くすような、抜群の存在感を示していた。そのまま鉄板ナンバー「ナゾ! ナゾ? Happiness!!」へ。そんな中でも徳井青空の歌声の個性は隠しようもないほどに光っていたし、だからこそ佐々木未来の声のストレートさも活きる。一方ダンスに目を移してみれば、やはり三森すずこのキメの正確さには流石のひと言。ほかの出演者を引き合いに出すまでもなく、間違いなく四者四様の魅力がここにはあった。
最後にフェザーズのふたりを呼び込み、披露されたのはもちろん「正解はひとつ!じゃない!!」。『ミルキィホームズ』という作品にとってのアンセムとも呼ぶべきこの曲で、最後の最後にお祭り騒ぎだ。ステージ上でメンバーが散り散りになり、客席全体に笑顔をプレゼント。メンバー同士のアドリブ(?)でのじゃれあいなども交えて遊び心いっぱいに定番ナンバーを届け、ハッピーなフェスに幕を下ろした。
“あに☆ぱら”としては初開催となった今回のイベント。初々しさをのぞかせるアーティストも多かったが、その色合いの違いがプリズムのようにそれぞれの魅力として観客に向かってきらめいていたように思う。数年後このイベントを振り返ったときに「今じゃ絶対このメンバー集められないよ!」と思わず言ってしまうくらいにそれぞれのアーティストがより大きな存在になってくれることを、心から願わずにはいられない。
Text by 須永兼次(リスアニ!)
a-nation island powered by inゼリー あに☆ぱら~anime paradise~
2014.08.16@国立代々木競技場 第二体育館
セットリスト
【新田恵海】
01 笑顔と笑顔で始まるよ!
【佐藤聡美】
02 sweet! sweet!! sweet!!!
03 さよならギャラクシー
04 Starlight Fortune
05 ♡’s☆cReaM
06 ミライナイト
【長妻樹里】
07 言えないアイスクリーム
08 嫌いになれるかな
【ハート♡インベーダー】
09 好感Win-Win無条件
10 明日天気にな~れ☆
11 砂浜TEMPTATION
12 大切リスト。
【i☆Ris】
13 Happy New World☆
14 幻想曲WONDERLAND
15 徒太陽
16 §Rainbow
17 ユメノツバサ
18 Make it!
【ミルキィホームズシスターズ】
19 ぐろーりーぐろーいん☆DAYS / ミルキィホームズ
20 We are the Miracle Holmes
21 セイシュンビギナー! / ミルキィホームズフェザーズ
22 ハッピー絶好調 / ミルキィホームズフェザーズ
23 冒険☆ミルキィロード!! / ミルキィホームズ
24 ナゾ! ナゾ? Happiness!! / ミルキィホームズ
25 正解はひとつ!じゃない!!
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