REPORT
2014.08.26
いよいよイベントもクライマックスへ。なんと!ここでサプライズゲストとして藏合紗恵子(五河士織役)が登場。タンバリンを携えた井上とともに、メイド服で『デート・ア・ライブⅡ』第6話「ガールズ・ミュージック」のワンシーンを完全再現したのちに「Q&A」を歌唱。この粋な演出に、観客はうれしさを爆発させ歓声でその喜びを表現する。
サプライズ登場の藏合も、ここぞとばかりに自身の持つ歌声のパワフルさを、この1曲にすべて込めているようだった。それがまた、観客の心を揺さぶる――とてつもない好循環の完成だ。ちなみにこのメイド服、井上と藏合がふたりで買いに行ったものだとか。
「Q&A」に関してはそれほどまでに演者・スタッフが思い入れ強くステージを作り上げており、イベント最後のトークでも井上が「来場者をより楽しませたかった」「スタッフの方々もその提案を快く受け入れてくださって、それをやりやすいように尽力してくださった」とその想いと感謝を語っていた。これほどまでの熱量が込められたからこそ、この会場にいる者全員が熱狂し、またその胸にこの光景が響いたのだろう。
そして出演者一同が再び登壇。それぞれの言葉で感謝と劇場版への意気込みを改めて語り、イベントは幕を下ろす。
とともに沸き起こる「アンコール!」の声。そうなればこのキャスト陣がそれに応えないわけがない。sweet ARMSによって一期のOPテーマ「デート・ア・ライブ」が歌唱されるとともに、ステージ後方に登場したそのほかの出演者はお祭り状態。オチサビから島﨑・井上・藏合が自由に踊りだしたかと思えば、後方の玉座に再び仁王立ちして曲に合わせてグラインドを繰り出す島﨑に、会場は爆笑。興奮と笑顔が同居する、ハッピーな空気に包まれたまま“デート・ア・ミュージック”は無事終了を迎えた。
これほどまでに多彩な顔ぶれがそれぞれの個性を発揮していると、イベントの魅力をひと言でまとめることが非常に難しく感じられる。ただ、ひとつ率直に感じたのは、このようにあらゆる魅力がない混ぜになっている点も、『デート・ア・ライブ』という作品が多くの人を惹きつける大きな理由なのかもしれない、ということだった。劇場版はもちろんのこと、音楽の面も含めてクオリティの高いものを体感できることを期待してやまない。そして、願わくばそんな“デート”の日々が永久に続かんことを。
Text by 須永兼次(リスアニ!)
“DATE A MUSIC”
2014.07.27@日比谷公会堂
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