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INTERVIEW

2014.06.25

SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer『UnChild』、オリジナルアルバム『Midnight Sun』同時発売記念、Aimerロング・インタビュー

『Midnight Sun』で作りあげられた
色とりどりの楽曲たち

 

――そしてニュー・アルバムですが、第1作目『Sleepless Nights』、ミニアルバム『After Dark』と来て『Midnight Sun』と、だんだん明るくなっていっている印象があります。

Aimer 今回『Midnight Sun』というタイトルをどうしてつけたかというと、真夜中の太陽ということで、今まで『Sleepless Nights』からずっと表現してきたものは、真夜中に寄り添うものであったり、曲調的にも静かな曲を歌ってきましたし、そういうものが大きかったんですけど、澤野さんに「RE:I AM」を書いていただけて、力強い曲を歌うようになってからは、暗闇を照らす光というものも表現できるようになったかなというふうに思っていて。今回のアルバムはそういう暗闇に寄り添うような儚い光から、力強い暗闇を照らすような光まで、いろいろな光を閉じ込めたアルバムだなと思っています。昼間のギラギラ光るような太陽というよりは、暗闇で見つけた太陽という表現が自分にはぴったりだなと思って、今回のアルバムのタイトルにつけました。

――夜空に浮かぶ月というほどはかなげではないと?

Aimer もっと強い光の表現ですね。『Midnight Sun』って“白夜”という意味でもあるのですが、アイスランドで体験した白夜の印象が自分の中で強く残っていることも今回のタイトルに大きく影響しています。

――1作目は「きらきら星」だった冒頭とエンディングの古典ナンバーは、今回は「When You Wish Upon A Star」(日本語タイトルは「星に願いを」)ということで、本作も星というキーワードがほかの曲や歌詞にも散りばめられています。

Aimer やっぱり自分の中で、デビュー曲の「六等星の夜」からからずっと、夜に光る星という世界観というのをずっとベースにしてきましたし、今回のアルバムもそういうものも大切にしつつ、力強い光も表現したいと思って作りました。これからもずっと星、夜という世界観にはこだわっていきたいと思っています。

――今作の力強さという部分では、「RE:I AM」や「StarRingChild」などシングルカットされたものはさておき、今回のアルバムの中で、力強さを意識した楽曲はどの曲になりますか?

Aimer 「Cold Sun」ですね。

――すごく情念の深さを感じる楽曲ですよね。

Aimer これは本当に「RE:I AM」とか「StarRingChild」で歌ったような自分の中の強さや弱さ、葛藤、そういうものを自分の言葉で書いてみたのが「Cold Sun」という曲です。曲調はすごく力強いですし、自分の弱さと強くなりたいって思い、傷つきたくないって不安と、でもずっと空を見上げてうしろを見ていたいっていう思いっていう、そういう葛藤を描いた曲です。タイトルも「Midnight Sun」に通じるものがあり、力強い光を放つ曲だなと思います。

――そして「AM03:00」はR&B系ですよね。

Aimer この曲は『Sleepless Nights』で「AM02:00」って曲があるんですけど、このアルバムでもまた1曲そういう曲をまた入れたいなと思って書いた曲です。

――澤野さんと一緒にやることによって、いろいろな活動や歌い方を体験されたと思います。それを経てのオリジナルアルバムで、全体のコンセプトもサウンドチームであるagehaspringsさんとかなり詰めていかれたのでしょうか?

Aimer アルバム全体の色味として、バラエティに富んだ内容にしたいということで、澤野さんにいただいた力強い曲、自分でも力強さを書いた「Cold Sun」と、またR&B調の「AM03:00」、そして「小さな星のメロディー」はちょっとかわいらしい曲であったり、いろいろな光を放った曲を入れようという部分は話し合いました。なので『Sleepless Nights』では全体的にしっとりと、本当に静かな光を放った曲ばかりだったと思うんですけど、今回は色とりどりな構成になっています。

――「小さな星のメロディー」はポップさ、ガーリィさも感じます。アルバムの真ん中にあって、しっとりしたところからかわいくなって、そしてまたノイジーや闇の部分に輝き出すっていう山の頂点なのかなと。

Aimer そうですね。こういうかわいらしい曲調もそうですし、歌詞も曲調に合わせて心細さを抱えつつもピュアなものを書いています。本当に自分のオリジナルでこういうふうな曲調の曲というのは初めてなので、そこも楽しんでもらえたらなと思います。それに今言っていただけたようにアルバムとしての流れも、12時から始まって午前3時で、最後には夜明けに向かって、というイメージで並べたので、ひと晩を通して寄り添うというか、そういったところも感じてもらえたらなと思います。

――0時から夜が明けるまで、という。

Aimer そうですね。やっぱり私は相反するというか、アンビバレントな感じの世界観が好きなので、「WHEN YOU WISH UPON A STAR」で挟んだのも、最後が本当に眠りにつけるのか、それともずっと終わらない夜を眠るのか、終わり方も穏やかなハッピーエンドなのか、それとも悲しい終わり方なのか、という部分も聴く人に委ねたいなと思いながら作りました。

――「星に願いを」ってすごく意味深な歌詞ですよね。

Aimer 「絶対に願いは叶うでしょう」と前向きなメッセージを込めながらも、どこか切なさや寂しさを感じさせる楽曲だと個人的に思うんです。このアルバムで表現している、私の中の相反する部分とぴったりな曲だなと思っています。

――Aimerさんの歌詞はポエムではないというか、ひとりで完結していないですよね。

Aimer 私も歌詞を書くときに、ある意味自分の願いや祈りというか、こうであってほしいなと思ったこととか、そういうことを思いながら書くことが多いんです。例えば「Cold Sun」では、そもそも最初から誰かに期待をしなければ傷つくことなんてないわけだから、傷つくってことは逆に言えば誰かを信じたいと思っている自分の気持ちの証だと思うんです。それはすごく尊いものだと思うので、そういう悲しみや絶望をマイナスなものとして排除しないで、それを受け入れていきたいっていう思いがすごくあります。

――私を私を、と押し出すようなものでなく、どこまでも自分と相手がいて、問いかけを感じます。それは葛藤であったり、問いかけによって相手の気持ちを汲んでいるからこそ二人称的になるんですね。そして同じ日に『UnChild』という澤野さんとのコラボレーション作品と、自分自身の作品である『Midnight Sun』を同時にリリースするという、現在の活動状況をどういうふうに自身の中で位置付けされているのでしょうか?

Aimer 自分の中では澤野さんの『UnChild』は、「RE:I AM」も「StarRingChild」もそうですけど、自分の中のシンガーという部分で、ある意味世界観を演じるというか、そういう責任感を持ってやっていて。そしてやっぱりAimerとしてのアルバムでは、自分で詞も書いていますし、アーティストとして、というふたつの軸が私の中にはあるんです。元々歌をうたうということがとても好きで、今回『UnChild』で澤野さんと一緒にやらせていただけて、すごくうれしかったですし、英語詞を歌ったりいろんな曲調に挑戦できたことはアーティストとしての自分にも活かせると思っています。そういうシンガーとして、アーティストとしての両方を大事にしていければと思っています。

 

菅野よう子との初タッグ
『残響のテロル』EDテーマ「誰か、海を。」

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――最後に、7月から放送される『残響のテロル』のEDテーマ「誰か、海を。」で菅野よう子さんとのタッグが決まっています。agehaspringsという日本のトップクリエイターと組んでのシンガー・ソングライターとしてのキャリア、そして澤野弘之さんとの出会い、そしてまた菅野よう子さんというビッグネームのクリエイターとタッグを組むことについての意気込みをお聞きしたいです。

Aimer 本当にまず、菅野さんの曲を歌えるというのは光栄のひと言です。自分がシンガーとしてまた新しい挑戦ができたという部分で、さらに成長できると思っています。やっぱりレコーディングは緊張しました。

――今までご一緒に仕事をされてきた方々とまた違いましたか?

Aimer すごく印象的だったのは、一回デモレコーディングをさせていただいて、そして改めてレコーディングが丸一日あったんですけど、そのときに「もっと君は野獣になったほうがいい」と言われたんです。それを聞いたときに、なるほどそういうことかと。その後はかなりスムーズにレコーディングすることができたんです。2、3回歌っただけで、私がどういうふうに歌ったら、私の声の良さが出るのかってことを、理解してくださったのかなと思いました。自分の中で、また新しい一面を引き出せた1曲になっているので、こちらも楽しみにしていただけたらうれしいです。

Interview by 西原史顕(リスアニ!)
Text by 林 信行(slf)

[プロフィール]
エメ/シンガー・ソングライター。2011年に「六等星の夜/悲しみはオーロラに/TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」でメジャーデビュー。2013年に『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』episode 6「宇宙と地球と」主題歌「RE:I AM EP」、episode 7「虹の彼方に」主題歌「StarRingChild」を担当した。


■アルバムリリース情報
Aimer 2nd album『Midnight Sun』
2014年6月25日発売
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【初回生産限定盤】
価格:¥3,333+税
品番:DFCL-2068~2069
※DVD付属(「眠りの森」「今日から思い出」「ポラリス」MV、「RE:I AM(Live ver.)」)
※Aimer初のワンマンライブ チケット最速先行受付応募ID封入

【通常盤】
価格:¥2,963+税
品番:DFCL-20700
※初仕様限定でAimer初のワンマンライブ チケット最速先行受付応募ID封入

<収録曲>
M01 WHEN YOU WISH UPON A STAR -prologue- 
M02 眠りの森 
M03 7月の翼
M04 words
M05 Cold Sun 
M06 AM03:00 
M07 小さな星のメロディー
M08 VOICE 
M09 RE:I AM
M10 StarRingChild 
M11 星の消えた夜に (Re-echoed by Genki Rockets × give me wallets) 
M12 Iris 
M13 WHEN YOU WISH UPON A STAR

 

SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer『UnChild』
2014年6月25日発売
【期間生産限定盤】
(2014年12月末まで)
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価格:¥3,148+税
品番:DFCL-2072
※描き下ろし『機動戦士ガンダムUC』スペシャル・パッケージ 
※描き下ろし『機動戦士ガンダムUC』スペシャル・ステッカー 2種封入
※初回出荷分限定で澤野弘之 ライブ[nZk]002 チケット最速先行受付応募ID封入

【通常盤】
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価格:¥2,778+税
品番:DFCL-2071
※初回仕様限定で澤野弘之 ライブ[nZk]002 チケット最速先行受付応募ID封入

<収録曲>
M01 UnChild 
M02 StarRingChild -English ver.- 
M03 A LETTER
M04 Destiny 
M05 But still…
M06 Just say good bye 
M07 Next 2 U 
M08 bL∞dy f8 
M09 REMIND YOU 
M10 EGO
M11 Because we are tiny in this world 
M12 RE:I AM -English ver.-

 

■ライブ情報
Aimer 1st Live “Midnight Sun”
【大阪公演】
8月27日(水) 心斎橋BIGCAT
OPEN 18:00 / START 19:00
椅子席 ¥3,800 ※要別途ドリンク代 
【東京公演】
9月5日(金) 品川ステラボール
OPEN 18:00 / START 19:00
椅子席 ¥3,800 ※要別途ドリンク代

<CD封入最速先行>
Aimer 2nd album『Midnight Sun』購入者限定で、アルバム封入チラシに記載されているIDとURLにて応募可能。
受付期間:2014年6月25日(水)12:00~2014年7月6日(日)23:00
公演詳細ページはこちら!

(C)創通・サンライズ
(C)残響のテロル製作委員会

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