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REPORT

2014.05.26

横アリ号が七つの海を巡る冒険の旅!“ミルキィホームズライブ~冒険☆ミルキィロード!!”in横浜アリーナをレポート!

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ステージの物語が大きく動いたのは、「IQ15不可思議(※天文学的な単位)の天才少女(自称)」明智小衣として南條愛乃が登場してからだ。歌われたのは2011年の『探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル』で歌われた挿入歌「ココロノエデン」!この曲は、作中では南條がボーカルを務めるfripSideのパロディ的要素が強かったこともあり、彼女の素に非常に近い歌唱だ。きらびやかなアイドル衣装で「小衣の歌を聴けー!」と歌い上げる南條の姿はまさに千両役者で、横アリにふさわしい、彼女のアーティストとしてのスケール感まで物語に取り込んでしまったのが非常に面白い。あいかわらず、ライブMCでの小衣はわりとデレモード。南條自身にも新鮮なステージだったようで、「久しぶりに小衣ちゃんの声が出せてすごくうれしかったです!楽しい時間が過ごせて幸せでした」と語っていた。

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そしてここで、ミルキィにとっても小衣にとってもライバルである怪盗アルセーヌ=明坂聡美が登場。明坂の衣装はまさにアルセーヌ……という感じのセクシーな雰囲気で、武道館よりもさらに気合の入ったアルセーヌっぷり。歌声はもちろん、所作のひとつひとつが本当に官能的。明坂自身もあとで「自分がちょっと大人になった気がします」と語っていたほどだ。

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アルセーヌの強大な力に追い詰められるミルキィチーム。そこにさっそうと登場したのが、小衣の高速船にこっそり隠れていたフェザーズのふたり!小衣にアルセーヌの予告状のことを匿名でタレ込み、彼女が乗る高速船に隠れて密航してきたというからカズミ、知能犯である。歌う楽曲はもちろん、「セイシュンビギナー!」!ライブハウスやブースステージでのアクト中心だった彼女たちが横アリにどこまで通じるか気になったが、実際はライブハウスで見るよりもずっとスケールが大きく見えた。それは彼女たちの動きのキレの良さが遠くまで届くこともあるだろうが、愛美のますます輝きを増した太陽のような笑顔と、伊藤の自信に満ちた堂々とした表情がスクリーン越しに見えていたことも大きい。昨秋のファーストライブでこっそり披露していた「新曲(仮)」も大舞台でも披露。初見の人が大多数の場で、ふたりのらしさを発揮して歌いきったのは、フェザーズというユニットにとっても最高のアピールの場になったはずだ。

まさに末恐ろしいふたりだが、そのパフォーマンスの影にあったのはミルキィチームの4人の存在だ。ライブのラストでふたりは、「楽しかった!本当に緊張したけど、私にはお姉さんが5人もいるので(伊藤)」「ミルキィの4人と一緒だと頼れるし、安心して歌って踊れる(愛美)」と口を揃えた。新人離れしたパフォーマンスでグイグイ成長するふたりと、そのふたりを支える先輩たち。シスターズはきっといいチームになると予感したやりとりだった。

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クライマックスは、コーデリアの「私たちはもう、4人じゃないものね!」、シャロの「6人揃えば、きっとなんでもできちゃいます!」の言葉から、6人揃っての「ピンチにパンチ」へ! おなじみの探偵服の4人とフェザーズの黒白衣装に身を包み、物語的にはここからが「ミルキィホームズシスターズ」出動の時間だ。6人の成長に満足した?アルセーヌが“好奇心の羅針盤”を残して退散すると、6人はまだ見ぬ冒険に向かう。

6人での新しい冒険の始まりは、『ミルキィホームズ』始まりの曲でもある「雨上がりのミライ」。2機のゴンドラに別れて、会場全体の“いちばん近く”をぐるり一周練り歩いていく。ゴンドラの上なので激しいフリはできないが、両手をモンゴリアンチョップ風に振り下ろすようなおなじみのフリを6人が一緒に見せるのは新しく心躍る光景。客席にサインボールを投げ込みながらののんびりした移動だったので、曲中にステージに戻れるのか?と思いきや、最後方に辿り着いたあたりでそのまま「ぐろーりーぐろーいん☆DAYS」にダイレクトにつなげる演出だ。アニメBlu-rayのオーディオコメンタリーで、4人が歌うこの曲に楽しそうにコールを入れていたフェザーズのふたりが、一緒のゴンドラで歌っている姿はとても不思議で、眩しく映る。ゴンドラはクライマックス前の長めの間奏でステージに辿り着き、落ちサビはメインステージに6人が揃ってビシっと決めた。このステージを実現するために、スタッフたちが演出やタイミングを考え抜いたことが伝わってくる流れでもあった。

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「家に帰るまでが遠足、ヨコハマに帰るまでが冒険(シャロ)」。本編最後の楽曲は、「スイートスイートホームタウン」。偵都ヨコハマを舞台とする作品が辿り着いた横浜最大のステージで歌う締めの歌として、これ以上ふさわしいものはないだろう。橘田が「私たち最初に横浜BLITZに行ったとき、いつか横浜アリーナでやりたいって話していたんです」と語っていたが、横浜BLITZで、神奈川県民ホールで、節目のライブをこの地で行なってきたミルキィが、ずっと大きくなってホームタウンに「ただいま」と帰ってきた瞬間だった。

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アンコールはミルキィらしい楽しさにあふれた「恋の調査報告書」から、「4年間の感謝を込めてこの曲を歌います(三森)」「聞こえなくてもありがとう」へ。1stシングルのカップリング曲を優しく歌い上げる4人が、本当にいい表情をしていたのが印象的だった。

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まさに大団円だが、ミルキィホームズシスターズの新しい冒険はここから始まる。アンコールのステージでは、“ミルキィホームズプロジェクトセカンドステージ”の始動が発表された。9月20日に幕張イベントホールで開催される「TGS2014スペシャルライブ」を皮切りに、“Project MILKY HOLMESネクスト決起ツアー(仮)”がスタート。11月には仙台、京都、福岡を周り、12月29日・30日には東京ドームシティホールで「年忘れミルキィホームズ!」2DAYSを行なうことが発表された。

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盛りだくさんの発表の余韻冷めやらぬ中、最後の楽曲はライブテーマでもある「冒険☆ミルキィロード!!」で締め。いつもミルキィのメンバーたちが語ってきた理想のライブを、出演者とスタッフが全力で実現した夢のライブだった。フェザーズという新たな翼を得て、6人の冒険は新たなステージへと続いていく。

Text by 中里キリ


ミルキィホームズライブ~冒険☆ミルキィロード!!
2014.5.24@横浜アリーナ

<セットリスト>
M01:正解はひとつ!じゃない!!
M02:We are the Miracle Holmes♪(シスターズ)
-怪盗アルセーヌからの挑戦と横浜アリーナ号の旅立ち-
M03:冒険☆ミルキィロード!!
M04:ナゾ! ナゾ? Happiness!!
-ミルキィ4人の楽しい航海-
M05:泣き虫TREASURES(フェザーズ)
-留守番のフェザーズ、出動!-
M06:I DO MY BEST!!(佐々木ソロ)
M07:アコガレmake your dream(三森ソロ)
M08:SU☆PA☆PAスター(徳井ソロ)
M09:乙女▽危機一髪(橘田ソロ・「▽」は白抜きハート)
-それぞれの旅の行き先-
M10:羽ばたいてDreamin’
-明智小衣、登場!-
M11:ココロノエデン(南條ソロ)
-怪盗アルセーヌとの対決。幻惑のトイズ-
M12:美的・エゴイズム(明坂ソロ)
-フェザーズ、登場!-
M13:セイシュンビギナー!(フェザーズ)
M14:新曲(フェザーズ)
M15:ピンチにパンチ(シスターズ)
-羅針盤の奪還。6人の新しい冒険へ-
M16:雨上がりのミライ(シスターズ)
M17:ぐろーりーぐろーいん☆DAYS(シスターズ)
M18:スイートスイートホームタウン(シスターズ)

ENCORE
EN1:恋の調査報告書
EN2:聞こえなくてもありがとう
EN3:冒険☆ミルキィロード!!

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