REPORT
2014.05.22
(※本レポートはセットリスト等のネタバレを含みます。あらかじめご了承・ご注意ください。)
2014年4月19日、渋谷・TSUTAYA O-EASTにて、KOTOKOのライブツアー“KOTOKO 10th Anniversary Live Tour “47 ARCH”~駆け回り食べまくり!NEO~”の初回公演が開催された。およそ1年をかけて全国47都道府県をめぐるという大規模なツアー。そのスタートダッシュを切る本公演は、客席とステージの距離が近いパワフルなライブハウス・O-EASTが舞台。KOTOKOの澄んだ歌声と、迫力の生バンド演奏、そしてファンの熱気が濃密に詰まったライブの模様をレポートする。
ライブの冒頭では、KOTOKOがこれまでにリリースしてきたシングル曲のメドレーが流れ、その間にバンドメンバーが入場。20曲あまりのサビが立て続けに流れて会場を思いきり温めた後で、いよいよ1曲目の「→unfinished→」が始まる。この盛り上がらずにはいられない展開には、客席のファンも大喜び。
MCでは、はじめにKOTOKOがライブ名をコールしようとしたところ、そのあまりに長いタイトルが言い切れずいきなり噛んでしまい、会場が一気に和む。「これをあと46回言わなければ……」と苦笑しながらも、メジャーデビューから10周年、歌手活動開始からおよそ14年の歳月が過ぎたことを振り返り、「感謝の気持ちを届けていきたい」とツアーへの意気込みを語った。
これまでに膨大な曲数を歌ってきたため、「タイアップ曲だけでも多すぎて、セットリストにどれを入れようか本当に迷った」というジレンマについても語ったKOTOKO。その中から選び抜かれて作られたセットリストは、ファンの誰もが楽しみにしていたキラー・チューンと、懐かしの曲やライブであまり披露されてこなかった曲とが入り混じる、実にバラエティ豊かな構成となっていた。KOTOKOの曲に触れたきっかけは人それぞれだが、そのありとあらゆるファンを意識した選曲だ。
タイアップ曲としては、TVアニメ『灼眼のシャナII』後期OPテーマの「BLAZE」、PS3/Xbox360用ソフト『BLAZBLUE -CONTINUUM SHIFT-』主題歌「碧羅の空へ誘えど」などが披露され、やはりこうした曲のときは会場のテンションがひときわ高くなる。
なかでも『ハヤテのごとく!』メドレーと称して「ハヤテのごとく!」、「七転八起☆至上主義!」、「daily-daily Dream」が続いたときの熱量はすさまじいものがあった。一方でライブ初披露となった「幻影」や、かつて「MCで『しばらく歌わないかもしれない』と言ったきり気づいたら9年経っていた」と語りながら歌った「DuDiDuWa*la la la」など、最初期の楽曲もいくつか歌われていた。
さらには「日替わりボックス」なるものがステージに現れ、そこから取り出したボールの色に対応した楽曲を披露する、というツアーならではの試みも。
「青」のボールを引き当てて「allegretto-そらときみ-」、「黄」のボールを引き当てて「Fatally」と、ファンと一緒にワクワク感を分かち合いながら歌っていた。この日替わり曲を楽しみに、ほかの地方へと足を運ぶ人もいるに違いない。
改めて感心するほど曲調は多彩。軽快なポップスはもちろんのこと、重厚なバンドサウンドを楽しむ曲、あるいは打ち込みのデジタルな感覚を楽しむナンバーなど、1曲ごとに異なった表情を覗かせていく。さらには曲の新旧やそれにまつわるストーリーも含めると、KOTOKOの音楽活動の歴史はライブの歩みでもあったのだと、改めて実感させられた。
およそ2時間あまりの公演時間があっという間に過ぎていき、気づけばもうライブ本編最後の「421-a will-」。客席からは曲に寄り添うような手拍子が送られ、歌い終えたあとは少し切ないアウトロに見送られるようにして、KOTOKOが一旦ステージを後にした。
熱烈なアンコールに応えて再登場したあとは、「羽-hane-」「声が届くなら」「Message」をアコースティック・バージョンで披露。これまでより少ししっとりした音の質感が、KOTOKOの歌声と楽曲のメロディの良さをいっそう引き立てていた。
そんなメドレーが終わり、「メジャーデビューからは10年ですが、もう少し遡った曲もお送りします」と語って披露したのは、なんと名曲「Shooting Star」!イントロが流れた瞬間に、客席からは驚きと喜びが入り混じった声が上がり、幸せな空気が会場に満ちていく。
MCでは感極まりながらも、「泣くのは47都道府県をめぐるまで我慢します!」とツアーにかける意気込みを念押しした上うえで、最後に歌ったのはメジャー1stシングル「覚えてていいよ」。ここまでの楽しかった気持ちを乗っけるかのように、客席のみんなが全力で飛んでペンライトを振る。ラストではKOTOKOの「せーので一緒に飛ぶよ!」の声に合わせてみんなで大きくジャンプ。「みんなのおかげで47分の1が大成功!」とうれしそうに語り、バンドメンバーとともに深々とお辞儀して終演した。
ツアー冒頭から全力のパフォーマンスに、客席からは惜しみない拍手と声援が送られていた。
Text by 山中貴幸
Photo by 西原史顕(リスアニ!)
“KOTOKO 10th Anniversary Live Tour “47 ARCH”~駆け回り食べまくり!NEO~”
2014.4.19@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
セットリストはこちら!(※注意!ネタバレあり)
近日、KOTOKOスペシャルコンテンツ公開予定!乞うご期待!
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