REPORT
2014.03.09
ここからはカバーコーナー。まずは『<物語>シリーズ』から主題歌メドレー。赤いライトが落ちサビ入りで「sugar sweet nightmare」を情熱的に高らかに歌い、かわいらしいフレンチサウンドの「もうそう♡えくすぷれす」へ繋ぐコントラストが魅力的。ドラムパターンでは「みんながクラップするまで歌ってあげない♡」と演出して十分に温めてから「白金ディスコ」を披露し、こちらではコブシ回しを入れて表情を作る。次の「オリオンをなぞる」は『TIGER & BUNNY』の主題歌で、意外な選曲に驚きつつも人気曲に大きな歓声に沸く客席。勢いに乗りコール・アンド・レスポンスもバッチリだ。再び赤いライトに照らされ、B’zの「ギリギリchop」をカバー。前奏のヘヴィな音と明るいソロにコントラストが見えた。その勢いのまま、自身の曲であるTVアニメ『猫物語(黒)』EDテーマ「消えるdaydream」を歌い、どんどん熱を帯び全身を歌にぶつけていく。
MCではカバー曲の選曲理由に続いて「聴いてくれる宛先があるので河野マリナの歌は生きられると思っています。私の居場所を教えてくれたこの曲を届けたいと思います」と話した彼女は「snowdrop」を切なく静かに、丁寧に歌う。続いて『<物語>シリーズセカンドシーズン』“囮物語”“鬼物語”EDテーマ「その声を覚えてる」へと展開する。力強く真っ直ぐを見据えて歌い、絶唱が続いてもテンションが高く歌いきる。その瞬間、万感の彼女の目に光るものが……。
最後のMCでは「今回のライブを作る時にみんなの顔を思い浮かべてたくさん考えました。その答えはすでに出ました。河野マリナのありのままを届けようと。でもありのままとはなんだろうかと考えるとその答えはなかなか見つからなかった。ライブやイベントを通してその答えを見つけることができました。河野マリナとはみなさんの愛の結晶です」と語ると大きな拍手を浴びる。「みんなの笑顔も涙も全部受け止めたい。そしてそれを全部歌に変えて笑える。そんなふうに諦め悪く歌っていきたいと思います。このライブタイトルの通り、歌い続けて前進したその先に今日も最後はみんなに笑顔になってほしいと思います」と挨拶を締めくくった。くしゃくしゃな笑顔で最後に歌ったのはデビュー曲の「Morning Arch」。自然と出る手振りに会場が一体となり、切れの良いアクションと元気のある声でメロディの美しさを伝え、本編を締めくくった。
「マリナ」コールに呼ばれてふたたび登場した彼女のもとにはギターのギー太郎。放課後ティータイムのカバー「U&I」のアップテンポなメロディを乗りこなし、間奏ではギターソロも披露し、そのまま楽しげに弾き語る。「今日一緒に笑って、歌って、踊って、飛び跳ねた時間が新たなる明日に、素敵に繋がっていきますように。そしてみんなとまたこうして笑顔で会えますように」と話し、オーラスの「アラタなるセカイ」を静かなピアノにのせ、深く力を込めて歌い上げた。最後の涙はアウトロでやりきった笑顔へと変わり、メドレーを含む全19曲を歌いきった。最後にはマイク無しで「また会おう～！」と絶叫し、この日のステージを終えた。彼女にとって久々となる今回の大阪・東京でのソロライブは、アルバム制作を経て、曲数の増加だけでなく磨いた表現力を発揮する場でもあった。それが十分に発揮されたステージであることはファンからの反応でも明らか。宣言通り、「また会う」ときをきっと心待ちにしていることだろう。
【SetList】
1.Imperfect blue
2.バルーンシアター
3.MAGIC OF MUSIC
4.Cheer for me!!
5.Do!! Do!! Let me fun♪
6.FOCUS! FOCUS!
7.たからもの
8.この優しい世界のなか
9.<物語>シリーズメドレー（カバー）
sugar sweet nightmare
もうそう♡えくすぷれす
白金ディスコ
10.オリオンをなぞる（カバー）
11.ギリギリchop（カバー）
12.消えるdaydream
13.snowdrop
14.その声を覚えてる
15.Morning Arch
En1.U&I（カバー）
En2.アラタなるセカイ
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