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INTERVIEW

2013.11.27

リスアニ!VOICE 河野マリナ

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アニメ音楽に関わる人達の「声」をお届けするリスアニ!TVによる撮りおろしインタビュー、それが“LisAni!VOICE”。「リスアニ!TV」にて放送されたその「声」をリスアニ!WEBで掲載します。

河野マリナ「その声を覚えてる」リリース時の「リスアニ!VOICE」を掲載!(「リスアニ!TV」2013年10月4日/10月11日放送分)

――まず、河野さんがアーティストになりたいと思った時期やきっかけを教えてください。

河野 気がついたら「私は歌手になりたい!」って思ってました。3歳のときにピアノを始めたんですけど、レッスンに通っているうちにすごく音楽が好きになって。エアロビクスダンスとかも始めた、っていうこともきっかけになりましたね。

――影響を受けたジャンルとしては?

河野 アイドルの曲がすごく好きで。親戚に毎年SMAPさんのコンサートに連れて行ってもらっていたんですが、それを見てアイドルの持つキラキラ感と「みんなに元気を与える」って笑顔で頑張っている姿にすごく心を惹かれました。それをきっかけにどんどん音楽を聴くようになって、「自分の想いはこうなんだ!」って想いを言葉にして身体で表現しているロックシンガーやシンガー・ソングライターにもすごく影響を受けました。特に好きなのは、椎名林檎さんやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTです。

――初めて人前で歌を披露されたのはいつ頃でしたか?

河野 中学生のときの、ピアノの発表会での弾き語りですね。めちゃくちゃ気持ちよかったのを覚えてます。その発表会のアンケートでも、「もう一回聴いてみたい」とか「いちばん良かった」ってたくさん書いていただいて、それはすごくうれしかったです。

――その後はどんな音楽活動をされてきましたか?

河野 それがきっかけで軽音楽部に入りました。そこでは女の子4人でコピーバンドをやっていて、私はギター・ボーカルをやっていました。

――ギターはそのバンドのときからのキャリアですか?

河野 そうですね。そのバンドには最初ベースとドラムしかいなくて、ボーカルとギターを募集してたんです。なぜかその部活では「ボーカルだけするのってダメだよね」みたいな風潮があったので、当時全然ギターもできないのにその部活に入りたいがために(笑)、「私、ギターもやりたいです!」って言って入りました。

――そのバンドで得た経験のなかで、いちばん大きなことは?

河野 やっぱりいろんな人に聴いてもらって、自信を持つことができたことですかね。「自分の歌はちゃんと届いてるんだな」っていう実感を得られたのがいちばん大きかったと思います。あとは、そのバンドを始めるまで、音楽って全部打ち込みだと思ってたんですよ(笑)。楽器の音を生で録ってるって知らなくて。その音楽の組み立ちを知ることができて、なおかつ生音の気持ちよさを体感できたことは、今でもすごく生きてると思います。

――では、アニメ音楽についてもお伺いさせてください。元々アニメ音楽は聴かれてたんですか?

河野 そうですね、小さいときからずっと歌って聴いてました。『SLAM DUNK』がすごく好きなんですけど、いつもカラオケに行くたびにOPとEDを完全コンプリートして歌ってました。

――その後アニソングランプリに出ようと思ったのにはどんなきっかけが?

河野 出場したのはちょうど大学に通っていた頃だったんですけれども、ずっと「歌手になりたい」って思いながらも実際に行動には移せずにいたんです。そのときに私の親友が、夢に向かってすごく頑張っている姿を見たことがきっかけですね。その子の「アナウンサーになりたい」って言って、自分で一生懸命働いて稼いだお金でアナウンス学校に通っている姿を見て、「よし、私も頑張ろう!」って思っていて。そんなときにちょうどTVで流れたアニソングランプリのCMを見て「アニメ大好きだし、私出たい!」って思ったんです。

――出場までに、人前でアニソンを皆さんの前で披露されたことってあったんですか?

河野 はい。大学でも軽音楽のサークルに入ってたんですけど、そのときはアニソンのコピーバンドで『マクロス(F)』のランカちゃんの曲や『けいおん!』、『<物語>シリーズ』の曲などをコピーしてました。

――えっ、『<物語>シリーズ』の曲を?

河野 そうなんですよ。もう大好きで!

――じゃあ、今はその大好きなシリーズの主題歌を担当されているわけですよね。

河野 そうなんです。最初に歌わせていただいたのは「消えるdaydream」という『猫物語(黒)』のEDテーマだったんですが、担当することが決まったときには、感激して感動してうれしくて、すごく涙が出てきました。ずっとデビュー前から大好きな作品だったし、その『<物語>シリーズ』の歌をうたわせていただくっていうことは、そのアニメの世界に私も飛び込めるんだって思ったし、その架け橋にもなれるんだ、とも思ってすごく感激しました。

――河野さんは『<物語>シリーズ』のどのあたりを魅力に感じられているんでしょう?

河野 いちばん最初に思ったのは、独特のキャラクターの動きの角度や流し目だったり、信号機や標識の表現とかの視覚的なところが素敵で。あと、すごく多い漢字のやりとりが独特で、素敵だなって感じてました。内容自体もすごく面白い一方で、それぞれの人間の闇の部分を表現していて、そこを乗り越えていく様子にすごくパワーをもらっています。

――『鬼物語』『囮物語』のEDテーマになっている「その声を覚えてる」の歌詞にも文語が織り交ぜられていますね。

河野 そうですね。あと、MVにも『<物語>シリーズ』を感じさせるような、信号機や標識とかの映像が入っているので、自分の中で思い描いていたこの作品の魅力とリンクしたところが多くて「私、アニメと一緒になってる!」ってすごく感動しました。

――そうしたアニメ音楽だからこそ伝えられることについて、河野さんはどのように考えていらっしゃいますか?

河野 私はいつもアニメ音楽を歌うときに、そのアニメのキャラを頭の中でもイメージするし、目の前に据えているような気持ちで歌うんです。アニメ音楽だからこそできることだと思うんですが、その歌詞を歌うことでキャラとさえ気持ちを伝え合えるんじゃないかな?って感じてます。

――それを表現する手段は他にもいろいろあるなかで、河野さんがあえて歌で表現したい想いって何でしょう?

河野 私にとって歌は、コミュニケーションのツールだと思っていて。私は言葉での表現に対して苦手意識がずっとあったんですけど、歌をうたうことによって気持ちを伝えることができるな、ってすごく思うんです。まるで日本語で会話をするように、ささいな日常の出来事とか喜怒哀楽全部を伝えあえたらいいなって思います。

――これまで歌のお仕事を神前 暁さんとこだまさおりさんとされ続けていますが、改めて河野さんから見たおふたりのお仕事の素晴らしい点を教えてください。

河野 お二方とも、ずっと「河野マリナとは?」っていうのをすごく見てくださっているので、私に合う言葉やメロディってどんなものだろう? ということをずっと考えてくださっていて、すごく愛情を感じます。

――それが「自分に合ってる」と感じるのはどんなときですか?

河野 まず、こだまさんの歌詞にはすごく背中を押されてるなって感じる部分がたくさんあるんです。私自身すごく落ち込んでいたり迷っているときに、私はそういう部分を隠しがちなんですけど、その次の曲の歌詞ではその弱ささえ表現してくださっていて。「私はこれを隠さずに、表現していいんだな」っていうふうに教えていただいていますね。神前さんは、私の声がいちばん魅力的に聴こえる音域をすごく大事にしてくださっていて。その一方で、「ここの音域に挑戦してみようか」っていう、成長するきっかけを与えてくれるような曲をいつも書いてくださいます。

――例えば、ロック調の楽曲だった「消えるdaydream」もまた、新しい挑戦だったと思います。

河野 楽譜的な部分では、音域が私の中で下から上まで結構幅広くあったところが挑戦でしたね。気持ちの面で言うと、私は半分涙をこらえて歌うような気持ちでレコーディングに臨んでいたんです。それぐらい決意を込めて歌うっていうのが初めてだったので、その部分でもすごく挑戦だったなと思います。

――決意ですか?

河野 そうですね。自分自身の未来に向けて、私は全力で歌っていくんだ、っていう決意を込めて。

――その未来は、どんな未来でしょうか?

河野 たくさんの方に歌を届けることでコミュニケーションを取りたい、というものですね。私は、いろんな方と意思疎通をして、「こんな気持ちを感じてるんだな」「こんなふうにみんな毎日を頑張ってるんだな」っていうのを感じていきたいと思いながら歌っているので、たくさんの方々とそういうふうに気持ちを通じ合えたらいいな、と思っています。やっぱり私にとって音楽はコミュニケーションツールなので、聴いてくださる皆さんにとっても、「河野マリナの歌を聴くことで、気持ちが分かり合えた」とか「河野マリナの曲を歌い届けることで、この気持ちはすごく消化できた」だったり、その気持ちを伝えるきっかけになれたらいいな、というのを目標にしています。

――では最後にお聞きします。河野さんにとって「アニメ音楽」とは?

河野 「アニメ音楽」とは、2次元と3次元を結ぶ愛のキューピットです。

――キューピットということは、愛情もあるわけですよね。

河野 そうですね。例えば、私は『SLAM DUNK』が大好きで。今となってはどのキャラがいちばん好きか、っていうのも言えないくらいみんな愛しているんですけれども、そのキャラに愛を叫ぶにはどうしたらいいのか? って考えると、私はそのテーマソングを歌うことで「愛が伝えられた」っていうスッキリした気持ちになるので、そういう意味で、アニメ音楽って次元を超えて愛を叫び合えるきっかけなんだなと思います。なので、皆さんにも聴いたり歌ったりすることによって大好きなキャラに愛を届けてもらえたらいいな、と思っています。


【リリースインフォメーション】

3rd Single
「その声を覚えてる」

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 ※初回盤/通常盤

1st Album
『First Touch』 12/11 On Sale!

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 ※初回盤/通常盤

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