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2017.01.18

シスターズが次元を越えて大阪の舞台へ!ナナシス「t7s LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-」現地レポート

シスターズが次元を越えて大阪の舞台へ!ナナシス「t7s LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-」現地レポート

『Tokyo 7th シスターズ』(通称ナナシス)初の地方地方ライブイベント「t7s LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-」が1月15日、大阪・なんばHatchで開催され、777☆SISTERSより篠田みなみ(春日部ハル役)、高田憂希(天堂寺ムスビ役)、加隈亜衣(角森ロナ役)、中島唯(野ノ原ヒメ役)、井澤詩織(芹沢モモカ役)、清水彩香(臼田スミレ役)、道井悠(神城スイ役)、今井麻夏(久遠寺シズカ役)、大西沙織(アレサンドラ・スース役)、中村桜(晴海サワラ役)、高井舞香(晴海カジカ役)、桑原由気(晴海シンジュ役)、Le☆S☆Caより吉井彩実(上杉・ウエバス・キョーコ役)、藤田茜(荒木レナ役)、植田ひかる(西園ホノカ役)が出演した。今回は夜の部をレポートする。

開演前から会場は駆けつけた支配人の熱気で真夏のような暑さ。水瀬いのり演じる六咲コニーの前説音声で会場のテンションも高まったところで、スクリーンではキャラクター&キャストの紹介と、「2017年」からのカウントアップがスタート。時計が2034年を指し示したところで、篠田の「夜もメラメラっと燃えて行きましょう!」の言葉と共に「僕らは青空になる」でライブは幕を開けた。777☆SISTERS全員がステージに並ぶと、客席と距離の近さもあいまって壮観で、ステージの呼吸が伝わってくるようだ。「KILL☆ER☆TUNE☆R」では、メンバーが順番にステージ中央に飛び出しながら、跳ね回るように「ツーサウザントサーティーフォー!!」を叫び、客席も力の限り声を合わせていく。後半の「どうやって」「どうやって」のコールアンドレスポンスでは客席に積極的にマイクを向けていくが、加隈が客席にマイクを向けたまま、にこにこしながら一緒に歌っているのが微笑ましい。「Cocoro Magical」は演者が動き回るフリームーブが多目だったが、隣同士の道井と高井がくっついて仲よくふざけあっていたのが印象的だ。

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最初のMCで篠田演じるハルが示した今回のライブのコンセプトは「MCがたくさんあるライブ」。MCといってもステージに立つキャストがキャラクターとして掛け合いMCをするもので、MCなのかドラマ的な演技なのか境界が曖昧な感じだ。カジカが「(ライブタイトルの)2.5ってどういう意味ですか?」という問いかけはこのライブのテーマにつながるものだろうか。ハルによれば「コニーさんによれば、ふかーい意味があるんだずっ」とのこと。ここで「おてんばとスパッツととんこつ娘!」と呼びかけられて次に登場するのはLe☆S☆Caの3人だ。

客席の光の黄色率がぐんと上がって待ち受ける中、「YELLOW」で植田が下手から、藤田が上手から、最後にステージセンター奥から吉井がそれぞれのパートを歌い継ぎながら登場してLe☆S☆Caが揃った。「一番星探した~」から始まる藤田の凛と歌い上げるソロの歌声や、植田のかわいくささやくようでありながら存在感があるボーカルなど、歌声の色合いが面白いぐらい違う3人だ。3人の「飛ぶよ~!!」の声に応えての1階フロアの一体感はオールスタンディングならでは。3人揃って天を指す印象的なキメから暗転すると、そのままクールに「Behind Moon」に突入。うって変わったセクシーな雰囲気のパフォーマンスに、スクリーン用の映像カメラもグイグイ演者に寄っていく。最後に客席をじっと見据える表情も藤田は鋭く、吉井は憂いを帯びた感じでそれぞれの解釈があるのがいい。Le☆S☆CaのMCでは好きな食べ物は? というお題におろおろしていたホノカが、ラーメンの話題になるとイキイキし始めたのが微笑ましかった。

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ここからの777☆SISTERS所属メンバーのユニットソング一周目は「ラバ×ラバ」「AOZORA TRAIN」「You Can’t Win」「Clover×Clover」という構成で、全ユニット昼の部とは楽曲を変えてきた。WITCH NUMBER 4の「ラバ×ラバ」は冒頭から会場がコーラスの大合唱でできあがった空気だ。両足をパッとハの字に開く振付で、中島が膝下をめいっぱい広げて動きを大きくして元気さを表現しているのがいい。SiSHの「AOZORA TRAIN」は3人の動きをシンクロさせるという意味では完成の域にある。昼の部から前を向いたまま手のひらを合わせたりの動きの息がぴったりあっていたNI+CORAだが、「You Can’t Win」は数段ペースを上げて動きを合わせていくハードさが見比べるとよくわかる。ラスト、髙田の流し目→挑発的な笑みのコンボが印象的だった。サンボンリボンで印象に残ったのが中村で、昼間のとろりととろけそうなたゆたうような雰囲気と、夜の部で歌い上げたあと満面な笑みを浮かべる空気の違いがユニット自体の色にも影響を与えていた気がする。曲中結構な時間桑原と高井が視線を合わせたまま歌っているのが絆を感じて良かった。

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NI+CORAの「Girls Talk!!」は元々のモノトーンっぽい衣裳に、NI+CORAパーカーを羽織って登場。元々足元のスニーカーとNI+CORAソックスはポップな色使いなので雰囲気ががらりと変わる。この曲の間奏では「ユミとユリ」という女子高生に扮した生掛け合いが入るのが定番だが、今回はMCでのトークに絡めて大西が「スース、ムスビの恋バナが聞きたいわ!」とスースとしての台詞を披露。ムスビとスースがステージでユミとユリを演じている、という二重性を表現していた。「後半戦もいくぞー!」とシンジュが先頭に立って引っ張る感じがキュートな「セカイのヒミツ」は晴海姉妹の関係性を色濃く反映した楽曲だけに、キャラクターをより前面に出した今日のライブではより味わい深く響く。歌い出しやウィスパーソロの、高井のおだやかに包み込むような微笑みがカジカに重なって見えた。

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WITCH NUMBER 4の「SAKURA」で際立っていたのが篠田で、なめらかな動き出しとぴたりとした止めのメリハリのある優美な動きはどれだけ練習を重ねたのかと思うほど。「ツボミニナッテ」の余韻が残る独唱の時の彼方を見つめるような眼差しとあいまって、怖いぐらい強い印象が残った。2ndライブの時点でパフォーマンスとして一番美しく仕上がっているのは、と思ったのがSiSHの「さよならレイニーレイディ」だったが、歌とダンスを含めた総合的なパフォーマンスとしてはまだ進化の先があったのだなと感じるステージだった。昼の部のLe☆S☆Caのハイヒールでのダンスを見て大変そうだな…と思ったことから同じようにハイヒールのSiSHの足元も見ていたのだが、すっすっと美しい足運びで違和感を感じさせない。ヒールでかかかっと細かく刻むステップ、特に今井のそれは特に素晴らしかった。

そして新曲で新しい世界を見せてくれたのがLe☆S☆Caだ。「トワイライト」のハスキーがかった抑えた歌唱からもこぼれだす「らしさ」が、かえって3人の歌声の個性を際立って感じさせる。憂いを帯びた楽曲なのだが、ソロパートを担当していない時の残り2人のステップワークがかなり複雑で、挑戦の色合いが強い曲だ。藤田と植田が歌の世界を組み立てていき、ここというところでキョーコそのものの歌声でズバッとキメてくれる感じが気持ちいい。吉井が「Le☆S☆Ca最後の曲よ!」と叫ぶと「タンポポ」へ。印象的なのはラストの掛け合いで、一度目の「きみだよ」は客席から大合唱をステージに向けて。2度目の「きみだよ」はステージから客席への万感の思いを込めて。双方の感情の流れが確かにつながっていることを感じるくだりだった。

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抜群のキュートさを見せてくれたのが“はるジカ(ちいさな)”の「ハネ☆る!!」。背中合わせでポジションを入れ替えながら飛び跳ね駆け回る姿からは、弾むような感情がダイレクトに伝わってくる。楽しさ、嬉しさ、といった感情を表情と身体全体で表現させたら、高井の右に出るものはいないようにすら思う。篠田の「おおさかー!」の叫びには、ハルたちが本当に大阪に、支配人たちの傍までやってきてくれたような不思議な感慨を感じた。

髙田が「私たちのI love youを聴いてください!」と叫べば、曲はもちろん「Snow in “I love you”」だ。列島が雪に包まれた日にこの曲を聴くのは特別感があるが、それ以上に「今日が終わってしまうから」のフレーズに、このライブがずっと終わってほしくない会場の気持ちがリンクしているように感じた。本編ラストは「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」。2ndライブではレジェンドチームにとって「Star Glitter」があるように、777のはじまりの曲は「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」なんだ…と感じたが、777☆SISTERSとLe☆S☆Caだけのライブ本編を締めくくるのはやはりこの曲だった。ステージと会場が一緒になって大きく手を左右に振る一体感は、まさに大団円と呼ぶにふさわしい時間だった。

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今回のライブにも「アンコール」は存在しなかった。ライブ本編が終わると、シームレスにナナスタメンバーから支配人への感謝を込めたビデオメッセージが映し出される。支配人と面と向かってでなければ素直になれるキョーコやムスビ、緊張しながらメッセージを話し始めた途端にビデオカメラが電池切れになってしまうカジカなど、それぞれのらしさあふれる映像に思わず笑顔になってしまう。映像が終わると、スクリーンにはライブのエンディングロールがゆっくりと流れ始めた。

だが、エンディング映像にノイズが走ると、「待って待って!まだ終わりじゃなーい!」の声がかかると、映像の中から飛び出してきたような15人が、ライブTシャツに着替えてステージに登場。篠田が「今日も明日も、私たちはバトンをつなぎます!」と宣言すると、ラストナンバー「FUNBARE☆RUNNER」に突入した。篠田の言葉が示すのはもちろんこの曲で横一列に並んで腰を落とした全員が見えないバトンを受け渡していく振付のことだが、これからもたくさんのアイドルたちと一緒に物語を紡いでいく意志も感じるものだった。

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ライブのラストでは初めてキャストが演者として挨拶したが、あくまでも舞台劇の締めくくりのように、シンプルに一言ずつ。ライブ全体としてみると、ナナスタシスターズのステージを現実で体験したような印象が残る、実験的で魅力的な公演だった。

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Text By 中里キリ

●『Tokyo 7th シスターズ』ライブ“t7s LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-”
2017.01.15 なんばHatch 夜公演セットリスト

M01:僕らは青空になる
M02:KILL☆ER☆TUNE☆R
M03:Cocoro Magical
M04:YELLOW
M05:Behind Moon
M06:ラバ×ラバ
M07:AOZORA TRAIN
M08:You Can’t Win
M09:Clover×Clover
M10:Girls Talk!!
M11:セカイのヒミツ
M12:SAKURA
M13:さよならレイニーレイディ
M14:トワイライト
M15:タンポポ
M16:ハネ☆る!!
M17:Snow in “I love you”
M18:H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!
M19:FUNBARE☆RUNNER

©Donuts

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